退職後すぐに決めないといけないことがいくつかあります。
今回の記事では健康保険について説明します。
※2018年7月18日追記
▼年金についてはこちら
退職したら健康保険はどうなる?
就職すると会社の健康保険組合に入るので、会社から保険証をもらいますよね。
病気・ケガをするとその保険証を病院に出して、ぼくらの払う医療費は3割になります。
ですが退職後は会社の健康保険組合からも脱退になるので、放置すると無保険状態になります。
そうなると病院での医療費は100%になってしまいます。
風邪でも超高額に…、悪夢や…(TдT)
ということで、退職後の健康保険は放置してはいけません。
国民健康保険と社会保険の違い
まず国民健康保険と社会保険の違いを下の表にまとめました。
項目 | 国民健康保険 | 社会保険 |
---|---|---|
対象 | 個人事業主 無職など |
会社員 |
加入団体 | 各市町村 | 各健康保険組合 |
扶養 | なし 家族が多いと保険料が増える |
あり 扶養家族なら保険楼は上がらない |
保険料 | 全額自己負担 | 会社と半額ずつ |
医療費の3割負担など受けられる保険内容は一緒ですが、対象、加入団体、扶養の有無、支払う保険料が変わってきます。
特に扶養の有無と保険料には要注意です。
退職後の健康保険は適切に選ばないと、年間数万円もの損になってしまいます。
退職後の選択肢|任意継続か国民健康保険
退職後の健康保険をどうするか。
取れる選択肢は再就職するかどうかで変わってきます。
1.再就職する場合
再就職先の健康保険に入ればOKです。
転職先を決めて辞める場合は悩む必要ありませんね。
2.再就職しない場合
再就職しない場合は選択肢が
- 退職した職場の健康保険を継続する(以下、任意継続)
- 国民健康保険に加入
- 家族の扶養に入る
の3通りになります。
多くの人は任意継続がお得になります。
①退職した職場の健康保険を継続する(任意継続)
任意継続するためには
退職前に被保険者期間が2ヶ月以上
ある必要があります。
その期間継続して働くと、2年間は現在(退職前)の勤務先の保険組合に入って「任意継続被保険者」となることができます。
2ヶ月未満で退職した場合は、任意継続はできませんので、国民健康保険への加入か家族の扶養に入ることになります。
任意継続する場合は
会社の健康保険組合で退職日翌日から20日以内に
手続する必要があります。
なるべく早く行いましょう。
健康保険料は退職前の2倍となります。
働いている間は会社が半分負担していますが、退職後は全額自己負担になるためです。
健康保険料は
退職時の「標準報酬月額」
と
加入していた健康保険の「標準報酬月額の平均」
を比較して、
低い方の額で計算した保険料の負担
になります。
また保険料は原則2年間同額です。
2年間フルに任意継続する場合は、保険料の増減はありません。
ちなみに標準報酬月額は4~6月の給与など(基本給・残業手当・通勤手当など)の平均額を等級表に当てはめたものです。
その間にボーナスが出る場合は、ボーナスも含みます。
会社員の場合は毎年9月に改定され、原則1年間同じ保険料です。
参考として全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料額表を貼ってきます。
>>平成30年度保険料額表 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
②各市町村の国民健康保険に加入する
国民健康保険組合に加入する場合は、
各市町村窓口で退職日翌日から14日以内
に手続きとなります。
必要なものは
- マイナンバー
- 印鑑
- 健康保険の資格喪失証明書等
です。
資格喪失証明書は現在の勤務先で作ってもらわないといけません。
あらかじめ作ってもらっておいて、スムーズに受け取れるようにしましょう。
健康保険料は前年の1月~12月の所得から決まります。
目安は以下のリンクを参考にしてください。
>>「平成30年度 国民健康保険料 目安表」
国民健康保険の加入手続きも、退職後なるべく早く行いましょう。
③家族の扶養となって、家族が入っている健康保険の被保険者になる。
家族の扶養になれると保険料はかかりません。
ですがその分、被保険者になるには条件があります。
- 被扶養者の収入限度以下
- 同居の場合は被保険者の年収の半分未満
- 被扶養者の範囲である
- 後期高齢者に該当しない
などなど。
その他の条件は以下のサイトに詳しく掲載されているので、扶養に入れそうな方は確認してください。
>>被扶養者の認定基準
ほとんどの人は任意継続がおすすめ
任意継続と国民健康保険でどちらがお得かは人によって変わりますが、多くの場合は任意継続にするのがお得です。
- 扶養家族がいる
- 前年の所得が高い
この2通りは任意継続のほうが安くなります。
扶養家族がいる場合は、明らかに任意継続がお得です。
ひとり暮らしなど、扶養家族がいない場合は前年の所得で変わります。
例えば新卒の平均月収が約20万なので、ボーナスがあると年収約300万。
この額を前提条件に計算してみます。(※任意継続は2年以上継続して働くことが必須。 )
この年収で国民健康保険と全国健康保険協会の保険料を比較すると
- 国民健康保険 :年額31万7203円(月額2万6434円)
- 全国健康保険協会:年額24万4080円(月額2万340円)
となります。
ですので、任意継続の方が年間7万3,123円安くなりますね。
あくまで新卒の平均ではありますが、多くの人は任意継続するほうがお得です。
(※各自治体、収入で保険料は変わるので注意)
ただ退職後1年目は任意継続のほうが安くても、2年目には国民健康保険のほうが安くなる場合もあります。
1年目の年収が低くなると、2年目の国民健康保険料が安くなるからです。
もし2年目は国民健康保険のほうが安くなる場合は
任意継続被保険者の資格を喪失して国民健康保険に切り替える
こともできます。
退職時に健康保険組合から受けた説明では保険料の支払いを止めるだけで、資格喪失できるようです。
健康保険組合ごとに違いがあるかもしれませんので、退職時に要確認です。
ということで、
「2年間任意継続」がお得な人
と
「1年目任意継続、2年目国民健康保険」
がお得な人がいます。
各自保険料を確認してください。
国民健康保険は各自治体の窓口に問い合わせると保険料を計算してくれるので、事前に問い合わせて比較するのが一番確実ですよ(*'ω'*)
2年目の保険料がどうなるかも年収確定したら調べておきましょう。
もしザックリとでも計算したい場合はこちらのサイトで計算するのが便利です。
>>国民健康保険料と任意継続保険料を計算シミュレーション!
ぼくの場合は任意継続がお得でした(*^^*)
転職に興味があるなら、まず転職サイトに登録
この記事を見ている方は、「転職・退職する方」もしくは「転職・退職に興味がある方」が多いと思います。
まだ興味の段階の方も、まずは転職サイトに登録しておきましょう。
もし今すぐ転職する気がなくても、転職サイトに登録しておくのがおすすめです。
いざ転職しようという気になっても、心身ともに限界になってからでは、登録する気すら起きなくなります。
しんどい状況では、転職サイトの登録すら高いハードルとなってしまいます。
まだ余裕があるうちに登録しておきましょう。
また希望の条件を登録しておくと、条件にあった新規の求人や転職可能なおすすめの求人がメールで届きます。
気になる求人情報をストックしておくだけでも「転職」という選択肢が頭に出来て、いざという時にスムーズに転職活動に移ることができます。
仕事を続けるにしても、頭に転職という選択肢があると、気が楽になりますよ。
またいろんな企業が求人を出しているので、見ているだけでもおもしろいです。
業界内で自分が働いている条件が良いのか悪いのか、他の業界と比べるとどうなのか、何てこともわかるので、今後の身の振り方の参考になります。
転職サイトは登録無料です。
今すぐ転職する気がなくても登録しておきましょう。
まず登録するなら登録者数や求人数が多く、取り扱っている業界も広い大手の転職サイトに登録しておきましょう。
おすすめは業界最大手の転職サイト「リクナビNEXT」です。
転職した方の約8割がしているという登録者数、求人数もポイントですが
- 本格的な自己j診断「グッドポイント診断」
- 転職活動前に知っておきたい「転職のノウハウ」
- 第一線で活躍するプロのお話「プロ論。」
などコンテンツも豊富です。
最初の1つ、とりあえず登録するという方は「リクナビNEXT」への登録がおすすめです。